膝が痛くて病院へ行かれる方の中には医師が運動をするよう勧めると驚かれる方もおられるようです。きっと「何で膝が痛いのに動かさなければならないのだろう?」と考えるのでしょう。

心配されるのは確かにごもっともなことかもしれませんが医師はスポーツをするよう勧めているのではなく、多くの場合は筋トレやストレッチ、状況に応じて歩くようすすめているだけなのです。

なぜ運動療法が役立つのか簡単に説明しましょう。

動かすことで必要な栄養素がが行き渡る

こちらのページで簡単に膝の仕組みについて解説していますが膝の関節軟骨部分には血液が通っていません。

どうやって栄養素を取り入れるかというと、関節軟骨の周辺に存在している「関節液」を通じて運んでくれるのです。

膝を動かす運動をすることで関節液が関節軟骨部分に染みこんだり出たりを繰り返します。この動作が関節軟骨を健康な状態へと保ってくれるのです。

逆に膝が痛いからといって動かさずにいると関節軟骨に必要な栄養が十分に行き渡らなくなり、ますます関節の状態が悪くなってゆくので注意が必要です。

薬物療法で膝の炎症や痛みを緩和しつつ、医師の指導のもとに運動療法を進めてゆきます。

周囲の筋肉が膝を保護する

変形性ひざ関節症の原因は膝関節の老化に伴い筋力の低下が余分な負担をかけることから起きるものです。年をとってゆくと自然と運動をする機会が少なくなりますし、加齢とともに筋肉も衰えてゆくものです。

膝周辺の筋肉、特に大腿四頭筋を鍛えることで膝にかかる負担を減らせるので、運動療法を続けてゆくと膝の痛みが軽くなったと言う方が多いのも理解できます。

膝が痛い時にサポーターを付けて膝周辺を補強することがありますが筋肉はまさに自分の身体に備わった自然のサポーターなので使わない手はありません。

運動療法は痛いのに無理して行なうものではありませんが、膝の痛みを治す上での中心的な存在と位置づけて相応しいものです。ぜひ医師の提案通りにチャレンジしてみることをおすすめします。