ストレッチ

変形性ひざ関節症が進行してゆくと膝を真っ直ぐに伸ばせなくなったり、反対に正座をするような膝の曲げ方ができなくなってゆきます。

仕組みとしては筋肉や靭帯、また関節包が徐々に萎縮してゆき膝が動かなくなるのです。この状態を拘縮(拘縮)と呼びます。

拘縮が進行してゆくと膝が不自然な姿勢を維持しなければならなくなるので膝の関節に余分な負担がかかって症状を悪化させることになるのです。

ストレッチの目的は膝周辺の組織の柔軟性を保ち、可動域(動く範囲)を徐々に広げてゆくことで膝の機能性を高めて痛みを軽減する役割があります。

医師の指導のもとにストレッチの訓練を進めてゆきますが、変形性ひざ関節症のどの段階の方にとっても役立つ療法です。

ストレッチをする時のポイント

とにかくゆっくり 動かすことです。膝の可動範囲は時間をかけて狭まってきたので広げる際にも時間が必要です。急いで成果を出そうとすると逆に膝を痛めることになるで気を付けましょう。

例えば曲げ伸ばしをする際には「じっくり」動かすのがコツになります。反動をつけて動かすのはNGです。専門医の言葉を借りると「餅」を伸ばすような感覚が良いようです。

餅も急いで伸ばすと切れてしまいますが、ゆっくり伸ばすと十分に伸びるものです。少しずつ時間をかけて行いましょう。

痛みの出ない程度 で行なうもの大切です。可動域を広げてゆくので多少の「つっ張る感じ」はありますが痛みが出るのは我慢する必要はありません。

痛みが出るというのは膝に負担がかかっている証拠なのでストレッチの程度を調節します。理想なのは痛みが出る手間の状態で30秒ほど姿勢をキープすることです。

この時に注意したいのは呼吸を止めてしまうと血圧が上がる恐れがありますので、あくまでも呼吸ができるほどのリラックスした気分で行いましょう。

拘縮が強い時は浴槽内でもOK

拘縮が強く膝を深く曲げられない時には浴槽内でストレッチを行なうのも良いでしょう。お湯は膝を温めて筋肉や周辺組織をほぐす効果もありますし、水の浮力を負担を軽減してくれます。

注意したいのは浴槽内は滑りやすいということです。浴槽のヘリや手すりを持っていても濡れていて滑ることがあります。

滑った拍子に全体重を無理に膝にかけて曲げてしまうと痛めることになるので、浴槽内のストレッチはくれぐれも気を付けて行ってください。

浴槽内の転倒が心配であれば、風呂上がりにストレッチを行なうだけでも効果がありますので参考にされてください。

ストレッチの方法は症状の度合いによっても異なります。医師や理学療法士の指導のもとに行われることをおすすめします。