中高年の女性を中心に膝の痛みに悩まされている方は少なくありません。原因のほとんどが変形性ひざ関節症と言い、膝の半月板や軟骨が徐々にすり減ることで痛みが生じます。

ひざの痛みに悩まされている方は1,000万人に上るとも言われ、もはや国民病となっています。しかし多くの人は「老化現象」ととらえて積極的な治療の必要性を感じていないようです。

しかし膝の痛みに関する医学的なメカニズムが解明されるようになってからは「運動療法」を中心とした治療が成果を上げており、QOL(生活の質)を保てるようになっています。

ここでは変性性ひざ関節症のメカニズムについて簡単に解説しています。

変形性ひざ関節症のメカニズム

まずは下記の図をご覧ください。

ひざ関節症の進行図

1は正常な膝の状態です。

加齢変化により関節軟骨や半月板がすり減ってきます。拍車をかけるように肥満や筋力低下が膝関節に負担をかけるようになり内側に徐々に傾いていきます。(2番)

さらに症状が進むと(3番)傾きが強くなりO脚になってゆきます。関節の隙間が減ってゆくので関節軟骨や半月板がすり減ってかけらが周囲を刺激して炎症を引き起こします。

内側の端に骨棘(とげ状の変化)骨提(骨が土手のように盛り上がる)の変性が見られるようになります。徐々に膝が動かせないくらいに痛くなり最終的に人工関節を入れる手術が必要になります。

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すり減った関節軟骨や半月板は元に戻りませんが、運動療法により膝周辺の筋肉を強化して進行を食い止めることは可能です。そのためできるだけ早めに膝の痛みの原因に気付いて対処するのがコツです。