膝の痛みの原因である変形性ひざ関節症を理解する上でひざの構造を知っておくと、なぜ膝の痛みが生じるのか分かります。

関節軟骨-関節を滑らかに動かす

膝の画像

関節軟骨は上記の図の1番のピンク色の部分に該当します。脚は大腿骨と脛骨の二本の骨により一つの線をなしていますが、膝関節の部分で半月板を挟んで接します。

さらに衝撃に強く滑らかさに優れている特徴があります。関節軟骨の摩擦係数は0.002と言われており現在の工学技術ではつくり上げることができないものです。

軟骨自体は血管が通っていないので滑膜(膝関節を覆っている部分)から関節液を通して栄養を補給します。関節液の役割は膝の曲げ伸ばしをスムーズにする潤滑剤と栄養を補給する役割があります。

関節軟骨はスポンジのような働きもします。圧力が加わった際には関節液がにじみ出て衝撃を吸収し、圧力が収まると関節液は軟骨部分へ戻ってゆきます。

半月板-関節内の衝撃を抑える役割

半月板は図の2番の関節軟骨の間に入っているもので関節同士の摩耗や衝撃を防ぐためのクッションの役割をします。

時おり「半月板損傷」という言葉を聞きますがスポーツや交通事故などで膝に強い衝撃やひねりが加わった際に半月板が切れてしまうことがあります。

そのため半月板を切除する手術が必要になる場合がありますが、半月板を除いても筋肉を鍛えていれば引き続き活動は可能です。

ただし半月板を部分的に除去していると健康な人に比べてひざ関節症にかかりやすいのも事実です。ケガが原因でひざ関節症になるタイプを二次性と分類します。