ひざ関節症は遺伝するのでしょうか?

◆ある種の関節症は遺伝が関係しています

指の第一関節が節くれ立って痛みを生じさせるヘバーデン結節は遺伝が関係することが分かっていますが、同時にヘバーデン結節を患っている方がひざ関節症にかかりやすいことも知られています。

厚生労働省の調査(平成20年度)によるとヘバーデン結節にかかっている方の合計は110万人ほど(推計)です。多く感じますがひざ関節症全体の割合からするとわずかなので、ひざ関節症=遺伝とまでは言えないようです。

ちなみにヘバーデン結節は女性の割合が男性の2倍以上にも上り、70代以上の方に占める割合が多くなっています。

話を戻しますが、変形性ひざ関節症そのものに関しての遺伝性については今後の医学の発展を待って解明されることを期待したいものです。

体型や生活環境も影響を与える原因となる

変形性ひざ関節症においては家族の遺伝による疾患よりも体型や生活環境が大きな要因となります。例えば女性で太り気味の体型で、なおかつ運動をする機会が少なければ関節症にかかる確率は高まるでしょう。

生活環境の要素としては食生活です。

和食中心でバランスの良い物を子どもの頃から食べてきたのか、あるいは甘い物や脂っこいものを食べてきたかによっても食習慣は影響します。

その他学生の時にスポーツをしてきたかどうかも、大人になってから積極的に運動に取り組めるかどうかも変わってくるでしょう。

上述のような遺伝による疾患は避けられない部分がありますが、自分自身の体型や生活環境が膝を傷めやすい状況を作り出しているならば意識的に努力して膝にかかる負担を減らすことができるでしょう。