膝が痛くなりだした方にとってはできるだけ安静にして膝に負担をかけないようにしたいと思われるかもしれません。もちろん急性期には膝を安静にしながら投薬量法などで炎症を抑えます。
しかし炎症が治まってきたらひたすら安静にするのではなく、運動療法を中心として積極的に足を動かしてゆく必要があるのです。
いわゆる「ケガ」との違い
なぜなら変形性ひざ関節症は整形外科における一般的になケガとは違うからです。捻挫や骨折は一定期間固定して組織が元に戻るのを待ちます。
しかし関節症は膝関節内の半月板や関節軟骨がすり減ってきているので、むしろ運動をして膝周辺の筋肉を付けて膝をサポートしなくてはならないからです。
それで関節症の場合、安静にすることはプラスになるのではなくますます筋肉が衰えてゆき膝にかかる負担が増えるのでマイナスになるのです。
膝をいたわりつつ、なるべく今まで通りに
「今まで通り」と言うのは別に無理をするという意味ではありません。膝に負担をかけないよう生活上の工夫を払いながらできることは行なうという感覚です。
例えば家事をしたり外に出かけるといったことでも、「痛いので無理」と思ってしまうと段々と考え方がネガティブになってゆき、生活の中で孤立してゆく恐れさえあります。
それよりも「痛いけれど、いたわりつつ行なう」と言った見方のほうが積極的に物事をとらえることができるようになります。きちんと自分のコンディションと方法さえ知っておけば、意外とできることが多いのに気が付くはずです。
この点、整形外科の担当医は助けになりますので、生活に関する様々な点を遠慮なく聞いてみてコミュニケーションを図ってみましょう。知っていると知っていないでは大きな違いが生じることもあるのです。