大腿骨の下側で骨が丸みを帯びて大きくなっている部分が大腿骨顆部骨と言いますが、この部分が壊死を起こしてゆく疾患が大腿骨顆部骨壊死です。

今のところ明確な原因は特定できていませんが、血流障害や骨粗鬆症との関連性があるのではないかとされており、主に中高年以上の女性に発症が多い疾患です。

膝の痛みが突然出てくる疾患で特に体重をかけた時に強い痛みが出てきます。痛みが進行してゆくと夜間の安静時にも膝が痛むことがあります。

変形性ひざ関節症との違いは、関節症はひざの関節軟骨や半月板が変形していくのに対し、大腿骨顆部骨壊死は骨自体が壊死するのが大きな特徴です。

大腿骨顆部骨壊死の診断・対処法

X線検査やMRIの検査で特定することも可能ですが、発症して初期の段階では病巣が小さいためX線で識別するのは難しいとされています。

進行の度合いが大きくなければ保存治療を中心に行ってゆきます。薬物治療や運動療法、足底板の使用によって膝にかかる負担を軽減してゆきます。

骨への進行や関節の変形度合いによって手術療法も検討します。高位脛骨骨切り術を行い変形した関節部分をサポートします。もし膝関節が変形していて生活に大きな支障を及ぼすのであれば人工関節の手術も検討します。