ひざ関節内に十字の形で二本の靭帯が膝の安定性を保持する目的で存在していますが、同時にスポーツや事故によって損傷しやすい組織の一つでもあります。

膝に過度の負担がかかると靭帯は切れる

原因として多いのはスポーツ時の損傷です。特にジャンプして着地する時に過度な力が加わると切れることが多く、バスケットボールやバレーボール、サッカーなどで頻繁に見られます。

交通事故の際にも靭帯を断裂することがあります。自動車を運転している時に衝突など正面から大きな力が加わる際にはブレーキを踏み込みますが、その際に足に極度の負担がかかり靭帯が断裂することがあります。

靭帯が切れる際には「ブチッ」と音もすることもあり、歩けないほどの激痛に見舞われます。靭帯内には血管があるので靭帯が切れると内出血を起こすので血を抜く必要も出てきます。

手術をするかどうかの判断について

靭帯が切れた時には手術をして靭帯を再建するかどうかを決めなくてななりません。その時に考えるのは今度の生活の質の維持についてです。

現在スポーツをしており今後もスポーツを楽しみたいのであれば手術は必須になります。以前は再建手術に人工の靭帯を用いていましたが現在は腱の一部を移植する方法が主流のようです。

損傷が半月板にまで及んでいるのであれば同時に処置を施します。入院は一ヶ月ほどで済みますが、リハビリの期間全てを含めると全治半年くらいはかかるものと見てください。

手術をしない という選択肢もあります。

中高年の方で今後はスポーツをしないつもりならば手術もしないことも可能です。しかし膝の靭帯が切れたままというのは膝が非常に不安定になり、膝くずれを起こしやすくなります。

例えば前十字靭帯を切断したのであれば階段を降りる際の動作は膝に負担が掛かるので注意が必要です。膝が可動域を超えて動いてしまったり不安定だと半月板を痛めてしまい手術が必要になることもあります。

サポーターを常時付けることで日常生活を送ることができれば良いのですが、二次性の変形性ひざ関節症にかかる可能性は高まるので膝関節の専門医と十分に話し合ってから手術の可否を決める必要があります。