ムシバラスもどき

学校や職場などで虫歯の検診を受ける時に、歯の表になっている部分に「C0」や「C1」と言った記号を書かれているのを見たことがあると思います。

図のところに書かれていいる記号は「一体なんだろう?」と思われたことがあるでしょうか。今回は謎の記号について詳しく解説したいと思います。

健康診断の際に参考にされてください。

Cとは『カリエス』つまり虫歯の略語

カリエス(英:caries)とは骨の侵食を表す言葉で、歯科においては「虫歯」の意味を指します。元々の語源はドイツ語のKariesが英語で使われるようになって、頭文字の『C』という記号と数字の組み合わせになっています。

カリエスのグレードはC0からC4にまでに至り、C0の段階だとごく初期の虫歯で、歯医者に行かなくても口腔ケアを徹底すれば自然に治る場合もあります。しかしC1になってしまったら必ず歯医者に行かなくてはなりません。

毎日歯磨きをする際に鏡を見ていてもC1の虫歯だと意外と見落としてしまいます。しかし歯科医はプロですし、う蝕検知液を使うと簡単に見分けられます。

C1程度であれば、その日のうちに虫歯を削り、コンポジットレジン(医療用のプラスチック)で埋めるだけで治すことができるので簡単です。

C2になると表面のエナメル質を突き破って象牙質に達している状態です。歯がしみたり痛みなど虫歯特有の症状が出てきます。上の歯は自分でもなかなか見つけられないものの、下の歯であれば虫歯の存在に気がついているはずです。

C2のが歯科検診で見つかるというのは、普段の歯のケアや意識が低いと言わざるを得ません・・しかし虫歯としては、まだ初期段階の範囲なので比較的短期間で治療を終えることができます。

C3になると虫歯がかなり進行した状況です。象牙質から歯髄にまで達しているので、既に重症化しています。神経にまで虫歯が到達してると、神経を抜き取ってからコンポットレジンか金属を使って埋める必要が出てくるので大掛かりな治療になります。

ここまで症状が出ていたら、さすがに日常生活にも支障が及んでいるはずなので、大抵の方は歯科検診を待たずに自発的に歯科に足を運んでいることでしょう。

C4になると歯が溶けてしまっているので抜歯を考慮します。もし根が残っており、まだ使えそうだと歯科医が判断したら、十分な治療を行ってから被せ物をします。しかし大抵の場合は抜くことになるでしょう。

歯科検診でC4が見つかるってあり得ないですよね・・

カリエスまめ知識
カリエスの段階はC1から2,3,4と一段ずつ上がってゆくので、C1からC3、C2からC4と飛び級することはありません。この点から分かるように日頃から目視できちんと歯を観察していれば、少なくともC1からC2くらいの段階で自分で虫歯を見つけることができます。大きい鏡とデンタルミラーを使えば目視も可能です。

歯の定期検診は必須です

もし、会社や市区町村などの自治体で一年に一度の頻度で歯科検診が実施されていないのであれば、自分で歯医者に行って診てもらう必要があります。

もし以前に虫歯になったことがある方は少なくとも半年に一度は歯科検診をする必要があります。歯周病予防にもなるので一石二鳥です。

半年に一度の検診は期間が短いと感じる方もいるかもしれません。しかし人によっては虫歯の進行が速い場合があります。期間を空け過ぎてC1からC3まで虫歯が悪化してしまったら治療に余分の費用と時間もかかります。

もちろんケースバイケースなので、最終的には歯科医の指導を仰ぐ必要があります。しかし「虫歯になりやすいタイプの人」というのは確かに存在するので、もしご自身がそうであれば、きちんと定期的に診てもらったほうが安心です。