おやつで脱灰が妨げられる

子どもの頃に「間食すると虫歯になるよ」と言わたことがあるでしょうか?

大人になると何でも自分の意志で選ぶことができる反面、誘惑も多いですよね。特に仕事の合間についつい甘い物が食べたくなります・・もちろん完全に甘い物を断つのは現実的ではありませんが、虫歯予防の観点からすると、やはり思わしくないようです。

その理由とは一体何でしょうか?

注意点
今回取り上げている「間食」とは主に昼食後の三時のおやつを指していますが、午前中の11時頃の「ちょい食い」や夜間時の「つまみ食い」も同様です。

間食をすると脱灰する回数が増えるので虫歯になりやすくなる

食事をしていない時の口の中の状態はアルカリ性に保たれており、歯にとってはプラスに作用します。しかし食事を摂ると口の中は酸性となり、虫歯菌が作用する状態に変わります。この状態を専門用語で「脱灰」といいます。

口の中が酸性の状態だと虫歯になりやすくなるのですが、同時にアルカリ性に戻す作用が備わっています。

それが『唾液』なのです。

唾液は中和作用があるのと同時に、歯を守る成分が含まれており、唾液による歯の修復を『再石灰化』と呼びます。

要は三度の食事以外に甘い物などの間食をする機会が増えると、口の中が酸性に傾く脱灰の回数が増えるので、一日の中でも唾液による歯の修復作用が十分に働かなくなるのです。

それで間食をすると虫歯になりやすいというのです。

昔の人は経験則で語っていたのだと思いますが、現代の歯科医療に照らし合わせると十分な根拠があるわけですね。

ここで問題となるのは「ではどうやって甘い物を摂取すれば良いのか?」という問題です。甘い物が好きな人は食べるタイミングを選ぶ必要があるのです。

それは・・

食後に甘い物を食べてから歯を磨くのがおすすめ

食事であれ甘い物であれ、摂取すると口の中は脱灰を始めるので、できるだけ一日の中で脱灰の回数を減らすかが虫歯予防の大切な鍵になります。(甘いものは別腹ですしw)

そこで、食事を摂った後に続けて甘い物を摂取して歯を磨けば、3時におやつを食べるよりも脱灰の回数を減らせるので虫歯のリスクを下げることができます。

つまり、一日三度の食事以外の時間帯に甘い物を食べる回数が少なければ少ないほど虫歯になりにくくなります。なぜならば歯の再石灰化の時間が長いほど修復作用が働くからです。

どうしても甘い物をたべたくなったら

もしどうしても間食に甘い物を摂りたくなったらキシリトールガムなどを噛むか、食べたとしてもすぐに歯を磨くなどして十分な対策を施したいものです。

歯を磨くのが難しければ水やお茶で軽く口をゆすぎましょう。洗口液は歯の表面を守る作用があるので効果的です。

デスクワークをしていると頭をかなり使うので、糖分を取りたくなりますよね。しかし糖分自体は虫歯菌の餌となる成分が含まれているのでNGなんですよね。

チョコレートやクッキーなどの糖分が多く含まれているものは虫歯の原因になりやすいです。その他、特に男性の方が注意すべきなのが缶コーヒーです。

午後の眠気を覚ます目的で缶コーヒーを飲む方は少なくありませんが、糖分が非常に多く含まれているので歯の脱灰化を促進します。(角砂糖何個分か)どうしても眠ければブラックコーヒーを飲みましょう。ちなみに飴も糖分の塊なのでNGです。

もし小腹が空いただけならば、アーモンド等のナッツ類はビタミンEも含まれているのでおすすめです。今まで食べていたチョコレートなどの甘い物と置き換えてみることもできるでしょう。

いずれにしても間食は生活習慣の問題でもあるので、もし甘い物を食べたければ三度の食事とセットにして食べるようにしてみてはいかがでしょうか。