ニキビを治療する際に、「漢方薬と抗生物質の療法を使って治したい」とお考えの方も少なくありません。

しかし、漢方と抗生物質を同時期に服用しても安全なんでしょうか?

実際に特定の疾患の治療においては、禁止されている漢方と西洋薬の飲み合わせも存在するので、心配される方もいると思います。

今回はニキビ治療の角度から考えてみましょう。

基本的には問題ないが、必ず主治医の支持を仰いでから服用する

西洋薬の中には効能が強いものもありますし、弱いものもあります。

例えば、C型肝炎の治療で用いられるインターフェロンですが、効能は強いです。仮に漢方薬の小柴胡湯を同時に用いると副作用が生じ、間質性肺炎を罹患する原因にもなります。

他にも漢方と西洋薬の同時服用で、薬効が減じたり、全く効かなくなるものもあります。

少し極端な例を挙げましたが、漢方も西洋薬も「薬」なので、通常西洋薬の飲み合わせに注意を払うのと同じように気を付けなければなりません。

しかし、ニキビの治療自体はさほど効能の強い薬を使うわけではありませんし、飲み合わせに関しては医師の支持を仰いでおけば心配ありません。

処方元が異なる場合に注意が必要

漢方処方の注意点
人によっては複数の所から薬をいただいているかもしれません。

皮膚科では出てきたニキビを素早く叩くために抗生物質とクリーム、長期的な観点から見て漢方薬局などで漢方薬を処方するといった具合にです。

確かに、突然出てきたニキビを効果的に叩くのには抗生物質は即効性があります。長期的な視野で体質改善をして体内からニキビができづらい状態にするために、漢方薬を服用することもあるでしょう。

2箇所以上の所から薬を処方してもらっている場合、必ず現在自分が飲んでいる別の薬を医師や調剤薬局に伝えるようにしましょう。

お薬手帳があると便利です。

もちろん別の疾患で治療を受けているのであれば、そちらでもらっている薬も伝えます。

目的をきちんと理解して使用すると効果を十分に発揮する

ニキビ治療における抗生物質の使用は「短期間でニキビを出ないようにする」ことです。それで長期間抗生物質を服用することはありません。

抗生物質はニキビに一定の効果がありますが、大人ニキビの根本原因を治療できるものではありません。

ニキビが出る→抗生物質→治ったら元の生活→またニキビ・・と言ったサイクルを繰り返してしまっているならば、根本的な部分に目を向ける必要があります。

(睡眠、ストレス、食生活など)

一方、漢方薬の場合は、継続使用によって少しずつ効果が表れるものが少なくありません。特に大人ニキビの場合は内臓を整えるのが根本的な解決策の一つなので、やはり時間がかかります。

全体的に健康的な生活を送りつつ、自分に合った漢方を服用すれば、時間はかかるものの、ニキビを「治療」してゆくことができます。

もちろん漢方薬も自分の「証」に合ったものを服用しなければ効果がありませんし、副作用もあるので注意が必要です。

しかし漢方と抗生物質の特徴をよく理解しつつ、適切に使用すれば、目的にかなった効果を発揮するので、試してみる価値は十分にあるものです。