顔に突然ニキビのような湿疹のようなものが出できたことはありませんか。

赤みがかかっており、痒みがあり、様子を見ても治らないような感じがあれば、すぐに皮膚科に行きましょう。実は頭皮や顔にできる皮膚炎の正体は脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)の可能性があります。(アトピー性皮膚炎の可能性を除いて、なおかつ診断は医師によるものとなります)

一体、ニキビと脂漏性皮膚炎ってなにが違うのでしょうか。
考えてみましょう。

脂漏性皮膚炎の原因はカビの一種

人の顔にはさまざまな物質が常在しており、(ニキビダニもその一つです!)その中にマラセチアというカビがあります。この菌は元々いるものなので、健康的な生活を送っており条件が揃わなければ発症することはありません。

皮脂の分泌が多すぎるとマラセチア菌が増殖することから脂分が多い男性に発症しやすいです。女性でもホルモンのバランスが崩れると男性ホルモンを分泌しやすくなるので発症します。

さらに外的な要因として、乾燥や紫外線、汗の処理といった肌のケアが原因となることもあります。内的な要因としては、食生活(脂っこいものを多く摂取する)ビタミンBの不足、ストレスなどさまざまです。

マラセチア菌は常在しているものなので、他の人に感染することはありませんので安心してください。

このように脂漏性皮膚炎の原因はニキビとは全く異なります(ニキビはアクネ菌が原因)が、発症する要因は非常に似通っているものがありますね。しかし診断は医師によるものなので、まずは皮膚科に行きましょう。

すぐに皮膚科に行って治療を開始する

病院の受け付け
皮膚科に行くことの目的は疾患の確定(間違いなく脂漏性皮膚炎だということ)と治療の開始です。

ご自身でも色々と調べてみて脂漏性皮膚炎の可能性が高いにも関わらず、医師が簡単に見て「これはニキビだね」と言われてしまうとショックですよね。

それではニキビを治療するための抗生物質や塗り薬をもらうだけなので、時間と費用の無駄になります。

簡単かつ効果的な方法しては・・
検査をしてもらうことです。

医師としては不要な検査は患者さんの経済的負担となるので、その疑いがなければ検査はできるだけ実施しません。しかしお願いすれば検査をしてくれるはずです。

もし脂漏性皮膚炎と診断されたならば、抗真菌外用剤を使いマラセチア菌の過剰増殖を抑制します。同時にビタミンBを摂取して皮脂の分泌バランスを正常なものにしてゆきます。

同時にステロイドの外用薬も用います。ステロイドと聞いて心配される方もいるかと思いますが、ステロイドの薬にも強弱があり、できるだけ副作用が出づらいものを処方するので問題ありません。

ただしステロイドは長期的に用いるものではないので、症状を見ながら医師の指導のもとに使用する必要があるので、覚えておきましょう。

脂漏性皮膚炎の原因は元々常在しているマラセチア菌なので、一度治っても条件が揃うと再発することもありますし、放っておくと慢性化することもあるので、皮膚科で適切な治療を受けつつ、行うべき大切な点があります。

脂漏性皮膚炎が出づらい生活スタイルを送るのが大切

脂漏性皮膚炎はニキビとは異なりますが、発症する条件はニキビと似ていることに気がついたと思います。

それで、治療を行いつつもニキビが出づらい生活スタイルを送ることで、身体の内側から改善を図ることができます。

基本的には、脂っこいメニューの代わりに魚や野菜を多く摂るようにすることや皮膚に刺激となるような食べ物を控えます。なおかつ疲れやストレスをためないようにすることもホルモンバランスを保つのに大切です。

直接的な方法としては抗真菌剤の含まれているシャンプーや石鹸を使うこともできます。医師との相談のうえ、使うことをおすすめします。

まとめ

脂漏性皮膚炎とニキビは一見似たところがありますが、原因や治療法は全く異なります。

しかし過剰な皮脂の分泌を避ける方法はニキビ予防とほぼ同じなので、生活スタイルを見直しつつ治療/予防に努めるのが最善の選択肢です。