正しい姿勢を説明する理学療法士

首や肩こりの3大要因は「姿勢の悪さ・運動不足・ストレス」ですが、そのうちの一つ「姿勢について」を考慮します。

重いコリに悩まされている方の多くは、体のいずれかの箇所の姿勢が悪くなっていると考えられます。そもそも正しい姿勢というのは意識していないとできないものです。

基本的な正しい姿勢を見直してみましょう。

立っている時の正しい姿勢

直立時のイメージとしては、頭のてっぺんから糸を吊り下げているようなものです。体を横から見た時に「耳・肩・中指・くるぶし」が一直線に並ぶようになります。

この姿勢をキープするには、目線はまっすぐにして顎を軽く引きます。背筋を伸ばして胸は反り過ぎない程度で軽く反り、お腹とお尻を引き締める感じになります。両肩の左右のバランスも意識してみましょう。

今まで正しい姿勢を取っていなかった人にとっては少し疲れるかもしれません。正しい姿勢をとるには筋肉を強化する必要があるからです。

正しい姿勢を続けることで周辺箇所の筋力が強化されてゆきますが、適度な運動も心がけると最初はキツくてもと徐々に楽になってゆきます。

しかし正しい姿勢は「常に意識すること」でキープされますので、いつも頭の片隅に入れておきましょう。

NGな姿勢と理由

首を前に出した猫背の姿勢:これでは基本姿勢の「耳と肩」が直線にならないので、ずれてしまいます。人の頭は3~4キロ程度ありますので、首の筋肉に相当の負担がかかりコリの原因となります。

お腹や胸を付き出した姿勢:どちらも背骨の自然なカーブが崩れてしまうので、周辺の筋肉や首に負担をかけてしまいます。

椅子に座る時の正しい姿勢

デスクワーク中心の方は一日の大半を椅子に座って過ごすことになります。座っている時の姿勢を意識するかどうかで、肩や首がこるか大きく左右されます。

デスクワークをしているとパソコンの作業が中心になりますが、頭の位置はどこにあるでしょうか?正しい姿勢の目安は「耳と肩が垂直にある」ことです。正しい位置が崩れると頭の重さ分首の筋肉に負担がかかることになり、首や肩がこりやすくなります。

椅子には深めに腰をかけ、膝は直角の状態になります。椅子の高低を調節できないタイプであれば、足台を使ったり硬めのクッションを敷いたりして自分で調整します。

背筋は真っ直ぐにしますが、背骨は生理的湾曲(自然なカーブ)をしていますので、背中にフィットするものがベストです。肘かけがあるならば、肘を置いた際に直角~100度の位置が楽にかけられる範囲です。

正しい姿勢をとっていても同じ姿勢を続けてると体は疲れてきます。30分おきを目安に軽いストレッチや運動をしたり立つ作業を織りまぜながら筋肉への負担を軽減しましょう。