まずは首の構造を簡単に知っておこう
いわゆる「首の骨」とは1本の固いものが入っているわけではなく、7つもの頚椎から成り立っています。頚椎と共に靭帯や筋肉の構成よって首の自由な動きが可能になってきます。
もし頚椎と頚椎の間に何もなければ骨がぶつかり合い、削れていってしまうでしょう。そこで頚椎の間に挟まれている形で存在しているのが「椎間板」です。椎間板というのは中央部分にある「髄核」とその周辺になる「繊維輪」から成り立っている弾力性のある組織です。
加齢に伴い骨にとげが形成される
しかし老化に伴い椎間板の水分も少なくなってゆきます。椎間板の厚さが無くなってゆくのは20歳頃からとされているので、比較的早くから問題の元が形成されます。
段々と椎間板の弾力性が失われてゆくと頚椎も変形してゆきます。そうすると変形に伴い頚椎の端にとげ(骨棘:こっきょく)が形成されてゆきます。
もちろん骨が変形して骨棘ができたからといっても必ずしも症状が出るわけではありません。骨棘が神経を刺激することによって、痛みやしびれ、こりといった様々な症状を引き起こすのです。
変形性頚椎症もどの部位を刺激するかによって症状の出方が異なります。「頚椎症性神経根症」と「頚椎症性脊髄症」の2種類があり症状や程度も様々です。