うつ病と首の痛みの関連性を説明する医師

うつ病と首の痛みの関係

日本では近年、精神疾患の患者数が増えていると言われています。原因は長引く不況や社会の変化に加えて、精神疾患が以前よりも認知されるものとなり、実際に診断されることが増えてきているからです。

精神疾患の中でも代表的なものがうつ病です。うつ病の症状として一般的に知られているものは精神的なものや考えや思考に影響を及ぼすものです。

しかし、うつ病の症状には身体的なものがあるのをご存じでしょうか。その中には首や肩のこりや痛みというものがあります。

うつ病と診断されていても、首や肩のこりは関係ないと思い込み、医師に相談されない方もおられるかもしれません。しかし、うつ病の身体症状の一部として出ているのかもしれませんので担当医に話すことが大切です。

その反対に、実際はうつ病を患っていても身体的な症状だけに気を取られて気付かないケースもあります。次はその点を取り上げましょう。

仮面うつ病とは?

「仮面」というのはうつ病の身体的な症状が前面に出てしまい、「素顔」の部分に該当するうつ病の精神症状などが隠れるタイプです。例えば長引く倦怠感や首や肩のこりに加えて以下の症状が出ていないでしょうか?

  • 仕事で判断ミスが多くなり、考えがまとまらない
  • 以前のように元気が出ず、落ち込むことが多い
  • 人と会うことがおっくうになり、引きこもりたくなる
  • 罪悪感や自責の気持ちに駆られることが多い
  • 趣味や好きだったことに興味が持てなくなった
  • 幾つか当てはまるものが1ヶ月以上続くようであれば注意が必要です。単なる疲れや年齢の問題として片付けてしまい、仕事をこなそうとすると負のスパイラルに入り込んでゆきます。

    自分でも原因が特定できていないのであれば、周囲が状況の本当の原因を理解してくれることは残念ながらないでしょう。職場での評価が下がったり、間違ったレッテルを貼られてしまうならば、余計に症状を悪化させる恐れがあります。

    誰にでも体調不良や気持ちの浮き沈みはあるものですが、それが続くようであれば病院に行かれることをおすすめします。内科だけの診療では単なる疲れや体調不良と診断される恐れがありますので、他の疾患の可能性を排除できるならば、心療内科や精神科などを受診するのがベターです。