近年健康食品として注目されているのがフコイダンです。(フコダインではありません)今から100年ほど前にヨーロッパの学者によって発見されたもので、日本では約20年ほど前に癌学会に発表されることで注目されるようになりました。

「がんに効く」と言われていますが、実際にはどのような作用があるのでしょうか。詳しく調べてゆくと、なぜフコイダンがこれだけ注目されているか理由が分かったので、まとめてみたいと思います。

フコイダンは何から採れる?

フコイダンはワカメやもずくや昆布といったぬめりのある海藻から採れる物質です。ネットで販売されている商品を見ると、沖縄県産やトンガ王国産のもずく、北海道産のガゴメ昆布などがあります。

これらの共通点は、どこも水のきれいな地域で採られる海藻類ということです。

沖縄の海

商品ページを見ると「〇〇産が一番!」と謳われています。しかし実際には原料からどれだけの成分を抽出できるかが大切なので、最も重要な要素ではないですね。

製品の中には数千円から20万円以上するものまで価格帯も様々です。製品の純度が高ければ比例して値段も上がりますが、海外産の原料を使っている商品はコストも上がる傾向があります。

しかし先に述べたように、重要なのはフコイダンの成分の量なので産地はあまりこだわらなくて良いでしょう。もし購入を考えているならば、1粒あたりのフコイダン成分の含有量がどれだけ多いかどうかを見て決めたほうが効果を期待できます。

低分子化フコイダンが注目されている理由

フコイダンの成分がどのように効果を発揮するか、現在九州大学では研究がなされており、興味深いデータがありましたので紹介させていただきます。

[参考情報] 九州大学研究データ:低分子化による効果等

低分子化されたフコイダンが、がん細胞にどれだけ効果を及ぼすか、マウスによる実験の結果が公表されています。

がん細胞を摂取されたマウスの生存日数による実験では、高分子のフコイダンは初期の状態では効果があるものの、継続的な効果は薄いのに対し、低分子化されたフコイダンは持続性があることが確認されています。

もう一つがアポトーシス誘導による実験です。

アポトーシスを簡単に説明しましょう。
人間の細胞は定期的に分裂を繰り返し、一定期間が過ぎると自滅プログラムが作動して消滅します。(正常な作用)それに対し、がん細胞は異常増殖を繰り返してゆくので、身体に害を及ぼすのです。

そこで低分子化フコイダンを投与したところ、がん細胞がアポトーシスを引き起こして消滅するのを確認できました。一方、正常な細胞にはアポトーシスを誘発しないので、選択的な作用があるのは興味深い点です。

なぜこの点が着目すべき点かと言うと、標準医療としての抗がん剤の投与は確かにがん細胞に効果を発揮しますが、同時に正常な細胞も破壊する作用があるからです。抗がん剤は身体そのものを激しく消耗するので、がんのステージや年齢や体力によっても適合が異なります。

上記の点が、低分子化フコイダンが多いに注目されている理由です。

補助療法としての位置づけ

フコイダンを使った製品のページを見ると「がんが治った」と思わせる表現が載せられていることがあります。しかし現在のところフコイダンは薬ではなく「健康食品」の範疇に入ります。

その一方で、積極的にフコイダンを用いている医師もいるので、位置づけとしては補助療法の範囲です。では医師がフコイダンを使った補助療法を用いる理由とは何でしょうか。

フコイダンの長期摂取により、ナチュラルキラー細胞が活性化されたのを学会で取り上げられたのが大きな要因です。(人の身体は健康な人でもがん細胞が毎日産生されていますが、NK細胞が撃退してくれるので健康を維持できています)

補助療法として用いるかどうか

健康促進として用いるならば自分の好みで決めても生活に大きな影響は及びませんが、がん治療などの補助として使用するならば慎重に考慮する必要があるでしょう。

私個人の感想としては、フコイダンはプラスになってもマイナスになる成分ではないので、もし自分が、がんになったら、積極的に使用してみたいと思っています。