日光浴が身体にプラスになるかどうかについては色々と意見があるようです。
ポジディブな意見としては、日光浴はビタミンDの産生を助けること、外に出て汗をかくと身体の代謝にプラスの影響があること、日光が体内時計を正確に保てるので自律神経を整える助けがあるようです。
しかし近年は日光を浴びることにより紫外線の影響を受けることも注目されています。皮膚にシミができたり皮膚がんの原因になったりすることもあるのです。
免疫の観点からすると日光浴は役立つのでしょうか。
紫外線が免疫力を低下させると言われる理由
人の体表は皮膚に覆われていますが、肌の上層部に存在するのが「ランゲルハンス細胞」というものです。異物が体内に入ると他の免疫細胞に攻撃を仕掛けるよう命令を出します。
ランゲルハンス細胞は一つの特徴があります。それは身体が紫外線を浴びると十分に機能を発揮することができなくなるということです。そのために免疫が低下して感染しやすくなるというメカニズムです。
なおかつランゲルハンス細胞は中高年になると若い人たちほどの機能は果たされなくなります。免疫の観点で考えると特に注意をしたいのが年齢の高い人たちです。
上記の点が日光浴は免疫が低下すると言われている理由です。
特に紫外線量の多い初夏から夏の時期にかけて、一日中屋外で陽の光を浴びるような活動(労働、スポーツやレクリエーションを問わず)の後に体調を崩しやすい方は、原因の一つとして考えてみる必要があります。
加えて、夏の時期の海のレジャーや山登り(標高が高い地域の方が紫外線が強い)も同様です。紫外線を浴びる時間が長ければ長いほど影響を受けるので、チェックしてみましょう。
どうしても屋外で一日中過ごさなければならない時は、SPF値の高い日焼け止めを使用したり、通気性の良い長袖や長ズボンの着用や、帽子をかぶるなどしましょう。
もちろん紫外線は免疫力低下の可能性の他にも知られている点として、皮膚がんのリスクが挙げられます。強い紫外線を長時間にわたって浴びるのは身体にとってマイナスになります。
何事もバランスが大切
ここまで考えると、どちらの言い分にも確かに理由があるのに気付かれたかと思います。要はバランスの取れた仕方で日の光を浴びつつ、肌のダメージにならないような対策を施す必要があるでしょう。
健康的に日光を浴びる量としては、以下の情報が参考になります。
ヒトにおいては、午前10時から午後3時の日光で、少なくとも週に2回、5分から30分の間、日焼け止めクリームなしで、顔、手足、背中への日光浴で、十分な量のビタミンDが体内で生合成される。
[参照元] Wikipedia:日光浴
実際に必要な日光の量はさほど多くないですよね。長時間でなければ女性でも日焼けを心配しないで浴びることのできるレベルの量です。(もちろん自己責任で)
真夏のビーチで一日中太陽にさらされる必要はありませんが、かと言って全く陽の光を浴びないのも健康に影響が及びます。
特に朝の日の出過ぎに家を出て出勤し、一日オフィスで時間を過ごし、日が暮れてから帰宅する会社勤めの方は改善の余地ありかもしれませんね。
オフィスに窓があり適度な日差しがあっても、ガラス越しには十分な日光を浴びることができないので、昼休みの時間は外食の行き帰り、あるいは軽く15分程度の散歩の時間を作るだけでも体内に必要な日光を浴びることができます。
まとめてみると・・
日光は身体のバランスを整えるのに必要不可欠な要素なので、完全に避けるのではなく適度な量を浴びるようにしましょう。大事なのは生活の中でどれほどの量を浴びれば良いのか把握して、必要量に合わせた服装や外出の時間帯を選ぶことです。