ひまわりを持つ子ども

「病は気から」という言葉を聞いたことがあると思います。

状況が同じでも、物事の感じ方や捉え方一つで受ける影響が異なることを免疫の観点から語っている言葉ですね。言い換えると、楽観的な考え方の人はストレス耐性ができていると言えます。実際に免疫の約三割はメンタルが関係していると言われているので、気持ちの持ちようは本当に大切ですよね。

考え方によってNK細胞の活性度合いも異なってくるので、免疫学的にも物の捉え方は本当に重要なのです。なぜそのように言えるのか実例を取り上げてみましょう。

前向きな見方が免疫を高める理由

以前に読んだ医療に関する書籍の中で興味深い調査結果が載せられていました。

がんと診断された一群の人を追跡調査するものです。幾つかのグループに分けてゆくのですが、病気を乗り越えようとするグループと、がん診断されたので諦めてしまった人たちのグループが対照的でした。

10年にわたる追跡調査の結果、一番生存率が高かったのが病気を乗り越えようとするグループで、諦めてしまった人のグループの数倍だったそうです。個々のケースは異なるので一概に言えませんが、確かなのは「考え方と免疫は関係している」ということです。

健康上の大きな問題に直面しても「何とななるさ」の精神が大切ですが、どのようにして楽観的な見方を持つことができるでしょうか。

物事の視点を変える努力をする

性格が前向きで楽観的かどうかは生来持っている性格や育った背景に左右されますが、人の考え方は変えることが可能です。自分の習慣となっている思考は「脳にできた一つの道」のようなものです。

物事には様々な側面があり、光が当たっている部分と影になっている部分があります。例えば「〇〇のがんで5年生存率80%」としましょう。

その時に自分は8割方問題ないと考えて積極的に治療に携わるか「自分は2割の人に違いない」と考えて塞ぎ込んでしまうかどうかでもNK細胞の活性度合いは異なります。

特にがんのような大きな病気であればナチュラルキラー細胞(NK細胞)のはたらきは大切なので、楽観的な見方の人のほうが免疫力は高まります。

もちろん楽観主義者というのは何も考えたりしないという意味ではありません。物事にはネガティブな現実もあることを理解しながらポジディブな面に注意を集中して努力することです。

この点で注意したいのは・・

心に何を取り入れるかによって大きく変わる

人の感じ方に影響を及ぼす点として「生来の環境」と言うものを挙げましたが、これも一種の心に取り入れてきたものです。もちろん無意識のうちに形成されたものですが、多くの人は成長の過程で気付くことになります。

仮に環境の影響がボジティブなものでなかったとしても変えることは可能です。特に大切なのが付き合う人(媒体)をよく選ぶことです。

どんな一と付き合うかどうかで価値観が形成されてゆくので、仮に今の自分がそうでないとしても積極的で楽観的な人と付き合うとプラスの影響があります。

逆にネガティブな思考の型の人と付き合うと(自分もそうだとしても)波長が合うのでその場は楽ですが、馴れ合い状態になるので、「沼」から抜け出せなくなります。

付き合いが長いと交友を断つのは難しく感じるかもしれません。相手が拒絶されたと感じない程度に徐々に疎遠にしてゆき影響力を少なくしてゆくのが賢明でしょう。

◆媒体と書いた理由
先ほど敢えて、付き合うのは人だけでなく「媒体」と書きましたが、これには理由があります。取り入れる物の中には人付き合いだけでなく、メディアから吸収されるもののあるからです。

ネガティブな考え方を持っていると、同様の音楽や映画、ひいてはニュースなどを好んで見てしまう傾向があります。これは自分の内面と共感する部分が多いからです。

しかし考え方を楽観的なものにするためには「毒抜き」が必要です。徐々にネガティブなものを制限しつつ、気持ちが明るくなるものを積極的に取り入れてゆく訓練を続けてゆくと、徐々にですが思考のパターンを変えることができます。