免疫力低下の影響

「風邪は万病の元」と言われていますが、確かにそう言える十分な根拠がありますよね。

健康な人ならば抗体が十分に機能しているので、普通に生活をしているだけでは風邪は引きません。しかし、免疫が低下すると抗体の抵抗力が下がるので容易に風邪を引いてしまうのです。

つまり「風邪=免疫低下の兆候」ということができますが、風邪以外にも免疫低下をきっかけに様々な病気になることが知られています。

原因と結果を知っておくならば、きっと免疫を低下させるあらゆる原因を避けたいと思うことでしょう。

ワンポイント
免疫は単に低下することで疾患にかかるだけではありません。免疫の異常作用によっても、さまざまな病気にかかります。例えば自己免疫疾患に代表されるリウマチや膠原病は免疫が本来有益な身体を異物とみなして攻撃することが原因です。

免疫低下-あらゆる病気にかかる恐れ

免疫が低下すると抵抗力が弱まるのでウイルスや細菌に感染しやすくなります。そうすると様々な感染症にかかりやすくなるので注意が必要です。私も実際に思わぬ感染症にかかり驚いたことがあります。

また免疫低下の原因となる極度のストレスに長期間さらされていると、思いもよらなかった疾患を引き起こす恐れがあります。離婚や配偶者との死別、仕事上の大きなストレスをきっかけに徐々に体調がすぐれなくなり、重病にかかったという話は少なくありません。

もちろん科学的には未知の部分もありますが、人は元々がん細胞を持っています。毎日3000~5000個ものがん細胞が産生されており、同時にがんと戦うNK細胞が除去してくれています。しかし身体の免疫となる細胞が活性化しないと、がん細胞が優位になるので、結果的に免疫低下ががんの発症につながるわけです。

きっと知人や親族の間にも、大きなストレスを抱えた後、重病にかかったと言う話を聞いた事があると思います。それだけストレスと免疫低下による疾患の関連は知られているのです。

本来持っている遺伝的な要素が引き出される可能性

人は生まれながらにして何らかの遺伝的な欠陥をもっています。それが生活環境や様々な要素と絡み合い、様々な病気を引き起こします。

一生の間、比較的健康な方もおりますが、見た目は健康だとしても急に大きな病気にかかる方も実際には少なくありません。それは元々持っていた遺伝的な要素が引き出された一種の結果で、特にがんについてはその割合が高いです。

どんな健康な人でも何らかの拍子に病気にかかる可能性があるのです。もちろん心配しながら生活する必要はありませんが、万病の引き金となる免疫低下にならないよう注意を払う必要があるでしょう。

特に注意をしたいのが・・

大きなストレスを長期的に抱えないようにする

先に挙げたように大きなストレスが誘引となることが少なくありません。身体が許容範囲を超えるかどうかが大きな問題となります。

仕事上のストレスであれ家庭内の問題であれ、人にはストレスを抱え込める限界があります。限界を超えた状態が続くと心身ともに不調をきたして、病気を引き起こします。

例えるならば、自動車を運転していて回転数を上げすぎて、レッドゾーンに入ったままになっていたらエンジンはだめになります。それと同じ道理です。

つまり限界を超える前にストレスの元を除き去るのは必須です。

問題が大きくなった時にストレスを回避できるかは主に人の性格や考え方によるものです。責任感も大事ですが、自分に抱えきれない重荷を負わない謙虚さも大事です。

しかし一旦歯車が狂い出すとなかなか自分では客観的に状況を評価して判断できないものです。周囲からの継続的なアドバイスを受けてやっと荷を降ろす人もいるでしょう。

やはり親身になってくれる友人や家族は貴重なものなので、普段から周囲との良い関係やコミュニケーションを保つのは身の助けにもなります。