膝の筋トレ

変形性ひざ関節症を治す上で重要なのが筋力トレーニングを中心とした運動療法です。あくまでも薬や注射は補助療法なので痛みの緩和にはつながりますが、根本的な原因は取り除かれません。

手術をしない限りは関節軟骨や半月板の状態は現状維持となるので、保存療法ではいかに生活上の痛みを減らせるかでライフクオリティ(生活の質)が異なってきます。

筋肉が膝周辺をサポートする役目を果たす

運動療法では主に大腿四頭筋(ももの筋肉)を鍛えるトレーニングを進めてゆきます。トレーニングと言っても家で気軽にできるものなので特別な器具は必要ありません。

中高年の多くの方は定期的に運動をする習慣がないので若い頃と比べると確実に脚の筋肉が低下しています。筋肉はいくつになっても強化することができるので効果が次第に現れてきます。

今までは筋力不足で膝が不安定だったのが筋力が付いてくるとともに安定性を増してくることに気が付きます。時に外を歩いている時や階段の下りの際に顕著に表れるはずです。

膝の動きが安定すると関節軟骨や半月板に不必要な負担がかからなくなるので痛みが軽減されてゆくのです。

同程度の関節の隙間でも痛みは異なる

仮の二人の例をとって考えてみましょう。Aさんは60代の男性で山歩きが趣味ですがBさんは50代の女性で小太り体型の主婦の方です。

Aさんは毎日ウォーキングををしていますがBさんはほとんど外に出かけることがありません。膝のレントゲン撮影をして骨の隙間が同程度であったとしても痛みの程度が異なります。

その主な理由は脚の筋肉量です。筋肉がないと痛みは生じやすくなります。それで受診の際に医師は単にレントゲンの骨の隙間を見て診断するのではなく、問診や触診を通じて重症度を見極めます。

筋力の度合いで膝の痛みも異なってきますので、医師の指導のもとに積極的に運動療法を活用したいものです。