免疫力を高めるには、生活を総合的に見直してバランスを取る必要があります。なぜ喫煙は免疫力を下げる結果になるのでしょうか。
タバコ自体「百害あって一利なし」と言われているように、健康を促進する上で一つも役に立ちません。それだけでも免疫力を高めたい方はタバコを忌避されると思います。しかし今回はタバコと免疫の関係を考えてみましょう。もし現在タバコを吸っている方は禁煙したくなると思います。(多分)
喫煙が免疫力を下げる理由を考えてみましょう。
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免疫細胞の活動を阻害する
体の中には健康を維持する上で様々な免疫細胞があります。その中の一つとしてNK(ナチュラルキラー)細胞というのがあります。この細胞はがんやウイスルを撃退するのに必要なものです。健康な人でも毎日がん細胞が産生されますが、NK細胞が戦ってくれているので、がんにならずに済んでいます。
タバコを吸うとNK細胞の活動が阻害されてしまいます。白血球の一種であるマクロファージという細胞がタバコの有害物質も吸収してしまうからです。結果、マクロファージが必要以上の活性炭素を取り入れて吐き出すので、NK細胞は十分に能力を発揮することができなくなります。
健康な人でも体内にがん細胞は存在していますが、NK細胞ががん細胞に攻撃する力が弱まると、がんにかかる確率は上がることになります。
◆血管が酸素不足になる
血管の中には酸素が行き巡っており、人体の維持には欠かせない存在です。しかし喫煙により数多くの有害物質が体内に取り込まれます。その一つが一酸化炭素です。血中に一酸化炭素が入り込むとヘモグロビンと結合するので、本来酸素と結び合わされるのを阻害して慢性的な酸欠状態になります。
なおかつ栄養素を運んだり老廃物の排出にも影響が及びます。タバコに含まれているニコチンは血管を収縮させる作用があるので血流が悪くなるのです。血流が悪くなると冷え体質になるので、平均体温が下がると免疫低下の原因にもなり得ます。
上記の点を考えても喫煙は免疫系にマイナスになることは明らかです。
副流煙の害は主流煙よりも大きいのはなぜ?
タバコを吸っている人を見ると分かるように、フィルターを通して煙を吸っていますよね。一方、周囲にいる人たちは喫煙者が吐き出した煙と、タバコの先端から出た煙の両方を吸う羽目になります。
主流煙はフィルターを通して吸い込む(これも有害)のですが、副流煙は直接タバコの煙を吸い込むので、タールやニコチン、一酸化炭素は数倍の濃度と言われています。
喫煙者だけでなく、家族や周囲の大切な人の免疫を下げることになるので、もはや自分だけの問題ではありませんよね。人によっては「家にいる時には極力吸わないようにしている。吸うとしてもベランダで・・」と仰られるかもしれません。
しかし、外で吸っていても身体や服に有害物質は付着するので、帰宅と同時にタバコの臭いだけでなく有害物質も持ち込むことになります。家族の健康も考えたいものです。
免疫を高めるには禁煙が必須です!
今回考えたのは細胞レベルでの話しなので、すぐに体に影響を感じることはないかもしれません。しかし、免疫力をアップさせる取り組みは長期的に行うものなので必須です。
タバコを吸う本数を減らしても有害物質を体内に取り入れていることに変わりはありません。もし現在、喫煙の習慣があるならばこれを期に禁煙することをおすすめします。
健康は一つの財産であり、一度失ってしまうと取り戻すことは非常に困難です。喫煙は免疫も含めて健康にとっては害にしかなりません。タバコの値段も上がっているので、ぜひ前向きに検討してみるのはいかがでしょうか。