ブリッジの寿命を説明する歯科医

虫歯や歯周病で歯を抜いた後に、ブリッジで欠損部分を補う人も少なくありません。

歯の部位によっては、インプラントと比較すると10分の1程度の費用(前歯、保険診療内)でブリッジを作ることもできるので、費用面のメリットだけを見るとかなり高いと言うことができます。

実際、ブリッジを作るとなると耐用年数はどのくらいになるのでしょうか。

ブリッジの耐用年数は約7~8年だが、個人差がある

歯科医の様々な意見を平均すると、ブリッジの耐用年数は約7~8年ですが、これに関しては本当に個人差があります。

前歯の部分をブリッジにするのか、あるいは奥歯なのかによっても耐用年数は異なります。短いとブリッジは5年くらいで取り換えが必要になることもありますし、10年以上経過しても何ともないと言う人もいます。

あくまでも人工物なので、時間が経過するほど取り替える必要性は高くなってゆきます。なぜ時間が経過するとブリッジの交換が必要になるのでしょうか。幾つか理由があります。

ブリッジの交換が必要になる理由

一つ目の理由はブリッジそのものが破損することがあるのです。保険診療内で作られたブリッジの材質は変色したり割れてしまうことがあります。これは自然劣化が関係しているので仕方がありません。

他の不具合の理由としては、噛み合わせの問題があります。ブリッジを作成して最終的に装着する際に歯の噛み合わせを確認する時に、調整が不十分だと後になって噛みあわせの不整合が生じます。完全に接着したものを外すことはできないので、外すためにはブリッジを削って取り除きます。

もしブリッジの破損であれば、保証期間というのがあるはずです。期間内(1~2年)であれば歯医者でも歯型を保存しているので、元の歯型からもう一度同じものを作ることができます。

特に歯周病に注意する理由

ブリッジの両側が虫歯になることは少ないと思いますが、歯周病になるとかなり厄介で、最終的にはブリッジの土台部分の歯を抜かなくてはならないこともあります。

つまりブリッジがどれだけ持つかという問題は、ブリッジそのものの耐用年数に加えて、土台の歯がどれだけ持つかにもよるのです。ブリッジの土台の二つのうち一方の歯が歯周病でダメになっても、ぐらついて使い物にならなくなるので注意が必要です。

土台の歯が歯周病にになる理由は主に2つあり、

  • 設計の問題
  • 本人のケアの問題

を挙げることができます。

ブリッジ作成の設計や取り付けが悪いと、食べ物のカスが上手に取れなかったり、歯と歯肉の境に付着しやすくなります。その結果、土台の歯も歯周病になって抜歯するケースです。

時間の経過とともに歯茎も痩せてくることがあり、この部分に食べ物のカスが入り込んで原因となることもあります。定期的に歯科に行ってチェックするほかありません。

もう一つは、本人の口腔ケアの問題です。

ブリッジを作成すると普通の歯以上にケアが必要になります。具体的には歯間ブラシやフロスを使って徹底的に歯周病を予防しなくてはなりません。特に歯間ブラシは必須です。ブラッシングでは磨けない部分を歯間ブラシを使って汚れを取らないと歯周病の原因となるからです。

しかし元々、ブリッジの間の部分の歯を抜く原因が不摂生や口腔ケアの不備だったり、喫煙や糖尿病など歯周病を促進するような要素があると、抜歯した部分に加えて周囲の歯も同様に進行してゆく恐れがあります。

まとめとして

歯の欠損を補うためにインプラントかブリッジかのどちらかを検討している方は費用に加えて耐用年数も比較検討してみることをおすすめします。耐用年数のみを考えるなら、若い方であればインプラントの方が長期的に考えると費用対効果は高いかもしれません。

もし既にブリッジを作成した方であれば、せっかく時間と費用をかけてブリッジを作ったので、できるだけケアを怠らずに長持ちさせるようにしたいものですね。