ドライマウスを説明

中高年の女性が歯周病にかかりやすい理由をご存じでしょうか。

なぜなら女性は元々男性と比べて唾液の分泌量が少ないだけでなく、更年期を境としてホルモンバランスが変わり、口の中が乾燥しやすくなるからです。

口腔内が乾燥していると、唾液の中和作用が減るので虫歯や歯周病にかかりやすくなるだけでなく口臭の原因にもなります。「口の中が乾きやすくて臭う」と感じている方は注意が必要です。

原因と対処法を考えてみましょう。

ドライマウスの他の原因とは?

ドライマウスには加齢や更年期以外にも様々な原因があります。

糖尿病や他の疾患が原因で口が乾くこともあります。冬の時期、部屋が乾燥していることも影響します。普段口で呼吸している方は常に口が空いた状態なので乾燥しやすくなります。

ある種の薬の副作用にも口腔内の乾燥がありますし、ストレスを原因とした自律神経の乱れでも生じることがあります。まずは生活全般を見直して、乾燥の原因になるものがどれだけあるのか調べてみましょう。その上で対処法を検討します。

口腔内を潤すための方法

唾液の分泌を増やすには適度な水分補給が必要です。ご自身の体調に合わせて一日の中でも細目に水を飲むようにしましょう。喉が渇いてから一気に飲むのではなく、少量を頻繁に飲むのがコツです。

特に年配の方は外出中、水分補給の後にトイレに行きたくなることを心配して水分を控えてしまうことがあります。水を飲むのを我慢する習慣が付いてしまうと口腔内の乾燥につながります。(特に冬場の時期)

対処法は出かける際の経路を前もって調べておき、駅やデパート・ショッピングモールのどこにトイレがあるか確認しておくと良いでしょう。大抵のコンビニでもトイレ自体は使わせてくれるので心配はいりません。

鼻炎持ちの人は口呼吸するのが癖になっている場合があるので、鼻詰まりを治しましょう。食事の際にも「ゆっくり、よく噛んで」を心がけながら食べるようにします。

おすすめはキシリトールガムを噛むことです。唾液の分泌も促して歯にも良いので、一日の中でガムを噛む時間と回数を決めておくことも役立ちます。

先に挙げた自律神経のバランスが乱れた結果、唾液の分泌が減少することもあります。ストレスを溜めすぎないことや十分な睡眠を摂ること、規則正しい生活リズムを確立するようにしましょう。

「口の乾燥は歳だから」で済ませずに、生活全般を見直すと、唾液の分泌を促進する方法を見つけられるので、歯周病の予防にもなり得ます。

しかし注意したいのが、疾患が潜んでいる場合があるということです。

シェーグレン症候群でも口が乾くことがある

シェーグレン症候群というのは自己免疫疾患の一つで、多くの方が目や口腔内の乾燥を感じます。50代の方が罹患しやすい層のピークに達して、男女比としては女性の方が圧倒的に多い傾向です。

シェーグレン症候群にも様々なタイプがあり、膠原病の二次疾患として発症することもあります。なおシェーグレン症候群自体が原発巣であれば目や口腔内の乾燥だけの場合もありますし、内臓疾患を伴うこともあります。

[参考資料] 難病情報センター:シェーグレン症候群

いずれにしても口腔内の乾きがひどいようであれば、まずはかかりつけの歯科医に相談することができます。その後の流れとしては大学病院規模の病院で検査をします。(各病院で科目名に若干違いはありますが、一例として「膠原病・リウマチ内科」を挙げることができます)

シェーグレン症候群の中には目や口の乾きだけの症状のものもあれば、臓器に影響を及ぼすものもあります。もし口の乾きがひどいようであれば、速やかに医療機関を受診して検査をしておくことをおすすめします。