生理前になると歯茎が腫れて痛んだり出血することはありませんか?
ただでさえ生理前の時期は体調がすぐれないので、歯茎が腫れてくると厄介ですよね。なぜ毎回生理前に限って歯茎の不調に悩まされるのでしょうか。それには女性特有の理由があるのです。
対処法を考える前に、まずは原因について詳しく解説してみましょう。
歯茎の腫れはPMS(月経前症候群)症状の一種
生理前に歯茎をはじめ、身体の不調が出るのはPMS(月経前症候群)の影響によるものと考えられています。PMSと言うのは月経周期の排卵が終わり、月経が始まるまでの2週間前後の期間です。いわゆる高温期ですね。
この時期には女性ホルモンが乱れる(黄体ホルモンの分泌が増える)結果、身体の免疫が下がる方は少なくありません。「生理前に風邪を引きやすい」とか「身体が疲れやすい」と言った症状もその一つです。体質によっても異なりますが、200以上の症状があると言われています。
[参考記事] PMS-生理前のイライラを抑える方法
免疫の低下は一つの引き金にすぎません。生理前でなくても疲れたり、風邪を引いて体調がすぐれない時に、歯茎の腫れや出血がないか確認してみると良いでしょう。もしそうであれば、次の原因を考える必要があります。
本当の原因は歯肉炎
しかし、生理前に歯茎が腫れない人も大勢いますよね。
なぜなら本当の原因は、元々歯肉炎の状態になっており、免疫が低下すると症状が出るからです。それで、歯茎の腫れの本当の原因となっている歯周病を治す必要があります。
なぜ生理前や疲れていたり体調が悪い時だけ歯肉炎の症状が出るかというと、まだそれほど症状がひどくないからです。歯肉炎が悪化してゆくと、普段の生理以外の時期も歯茎が腫れることに・・
つまり生理前に歯茎が腫れるというのは、自分の身体の弱い部分(体調がすぐれないと症状が出やすい箇所)なので、十分にケアをすれば生理前の症状も和らげることができますよ。
まずは歯肉炎も含めて歯周病を治すことにしましょう。
歯肉炎は歯科、PMSは婦人科で診てもらう
生理前に歯茎が腫れて悩んでいる方は二つの点を検討する必要があります。
まず一つは歯のケアです。
ある程度症状が進んでいる方は歯科医で診てもらう方が確実です。歯肉炎の治療とともに、原因となっている歯石を取り除きます。その後はできるだけ半年に一回は歯科で歯石取りを行えると歯肉炎の予防につながります。
症状がひどくない方でも過去一年間、歯科で歯石取りをしていない方は、受診されるよう強くおすすめします。なぜなら歯磨き時には、どうしても磨き残しが出てしまい歯垢の塊が歯石になるからです。
◆セルフケアとして
歯肉炎の原因はプラーク(菌)にあるので、まずはブラッシングの習慣を見直しましょう。歯科に行って診てもらい、歯石ができやすい部分が磨き残しになりやすい部分です。なおブラッシングに関しては歯科で指導を受けられるので、遠慮なくお尋ねください。
次に食生活の改善です。食後に必ずブラッシングをすること、特に間食のダラダラ食べは歯にとってマイナスになるので、口を軽くゆすぐなどして、常に口腔内を清潔な状態に保ちます。
歯肉炎はさほどひどくなければ市販の薬でも対処できます。
◆もう一つの点はPMS対策
歯肉炎がさほどひどくなくてもPMSの症状が大きく出るならば、継続的に歯茎の腫れに悩まされるかもしれません。PMSの症状を改善するには婦人科を受診する必要があります。
同時に大切なのは「疲れ過ぎない」生活習慣を確立することです。常に仕事が忙しくて残業続きの生活であれば、疲労は自然と蓄積されてゆきます。精神的なストレスもホルモンバランスを崩すので要注意です。
その結果、生理前のPMSの症状がひどく出ることもあるので、ぜひ生活スタイル全体を見直しつつ、ご自身の体力に応じて無理のない範囲で仕事を行ってゆくことが特に大切です。