歯のブリッジのメリットを説明する歯科医

前歯を欠損した時に、治療でブリッジとインプラントを比べると、あらゆる点でインプラントが優れているように思えるかもしれません。

費用面だけを考えると、前歯ブリッジは二万円程度(国保)に対して、前歯一本インプラントを入れると30~40万円(実費)なので15倍以上の開きがあります。

確かにインプラント治療に費用をかけただけの感は否めません。しかし『費用=質』以外の点でブリッジの方が優れている点(リーズナブルという意味で)があるでしょうか。人によっては治療の選択の決め手になることもあるので、詳しく考えてみましょう。

健康面でインプラントが向いていない人もいる

インプラントはメリットの多い治療方法ですが、万能ではありません。

健康面が理由でインプラントの治療が行えない人もいるのです。

  • 糖尿病や心疾患、重度の骨粗訴訟
  • 骨の量が少ない
  • 歯周病がひどい
  • 重度の喫煙者など

が挙げられます。

インプラントは歯茎を切って骨に穴を開けるので一種の外科手術となります。身体に負担がかかるので健康面で心配な人は行うことができません。

稀なことですが、インプラント手術をした後に細菌感染する例もあるようです。一度感染してしまうと、後々の治療がかなり厄介になります。原因として患者さんの健康状態もありますし、医師の腕も関係しています。

この点を考えると歯のブリッジは健康な歯の上に装着するだけなので、侵襲性の少ない治療法と言うことができます。

◆メンテナンスがきちんとできるか?
これも大切な点です。

インプラントは植え付けてしまえばそれで終わりではなく、歯科医での定期的な検査やメンテナンス(実費です)が必要になります。健康な歯よりケアに気を使うので、元々不摂生によって抜歯せざるを得なくなった方はあまり向いていません。

施術を行った後、再び細菌による感染(インプラント周囲炎)にかかると、場合によっては抜歯する必要も出てくるので、再び多額の費用と時間をかけることになります。

それに対してブリッジは欠損した歯の部分は空きになるものの、両側の健康な歯を橋渡ししてつなげるので、ケアは必要なもののインプラントと比べてそこまで頻繁に検査に行く必要はありません。

治療後のメンテナンスも考えて決めることは大切です。

短期間で作ることができる

インプラント治療の重要な過程として、人工歯根をあご骨に埋め込んで結合しなくてはなりません。これには個人差があり2ヶ月程度から人によっては半年必要なケースもあります。(骨の状態による)

同時に歯の作成や調整など、費用だけでなくかなりの期間がかかることもあるのです。仕事の関係で長期にわたる治療が難しい方や、海外赴任などで日本での滞在期間が短い方は難しいでしょう。(私はこれで断念した)

一方、ブリッジ治療は型を取り、歯を削り、装着するだけでできるので、単純に治療だけの期間で考えると2週間で完成も可能です。当サイトにも実際にブリッジ治療を受けた方の体験談がありますので、参考にはなると思います。

[参考資料] ブリッジ治療の通院記録

他にも圧倒的に費用が安い、本物の歯を土台としているので食べ物の感覚を味わえるなどがあります。

歯科医はインプラントを勧めてくるが・・

歯科に行くと多くの歯科医はインプラント治療を勧めてくると思います。しかしインプラントには向いていない方もいますし、ブリッジならではのメリットもあります。

両方のメリットデメリットを正直に教えてくれる歯科医は優秀な方だと言えるでしょう。そうすれば比較検討して、自分にとってどちらの治療が長期的に見てメリットがあるか決められますよね。

いずれにしても、ご自身の健康面・金銭面・生活の状況等によりインプラントには向き不向きがあるので、慎重に検討されることをおすすめします。