食事の際によく噛むことが健康に良いのは周知の事実です。
実は歯周病の予防にも貢献するのをご存じでしょうか。健康的な食事の摂取方法は歯の維持にも役立つので、定期的に思い出して実行したいものです。
歯の健康の観点からして、十分に噛むと良い理由というのは「唾液の分泌」に関するものです。
理由を詳しく考えてみましょう。
口腔内の健康における唾液の役割
食事の際によく噛んで食べると、食物が細かく砕かれるのと同時に唾液の分泌量も増えてゆきます。そうすると歯に食べ物のカスが詰まりづらくなるだけでなく、唾液と共に洗い流す効果を期待できます。
唾液は歯の再石灰化を促す役割もあるので、口内を健康な状態に保つのに役立ちます。なおかつ消化を促進するので身体のバランスを整える助けとなります。
後述しますが、早食いはよく噛まないで食べる習慣とセットになっていることが多く、将来的に肥満や糖尿病の予備軍となりかねません。
[参考資料] 歯周病と全身の病気の関連性
意外に思われるかもしれませんが、糖尿病と歯周病は互いに関連しており、負のスパイラルに陥る危険性があるので、どちらも確実に予防したいですね。
生活習慣全体が関係している
よく噛んで食べること→→歯周病→→体全体の健康は生活習慣全体、敢えて言うならば、人そのものが関係していると言えます。
自己の健康に進んで関心を払うだけでなく、実行するには自分の生活全体を律する必要があります。これも自己鍛錬の一つです。しかし生活全体がだらしないと、口腔ケアも疎かになってしまうので、自ずと身体の他の部分にも影響を及ぼすのです。
毎日の歯周病の予防のための十分なケア、十分なブラッシングやメンテナンスは必須事項です。しかし意志が弱いと、ついつい面倒になってしまい、適当にやり過ごしてしまいがちになります。
極論に聞こえるかもしれませんが、口腔ケアができるかどうか、健康に対する高い関心があるかどうかも「人そのもの」を表す一面なのです。
健康的な食生活を形造るための基礎は「十分に噛む」こと
生活が忙しいと、ついついファストフードや外食に頼りがちになってしまいます。これらはじっくり味わうというよりか「空腹-早く食べて腹を満たす」というサイクルになりがちです。(私も同様です)
ハンバーガーや牛丼などのメニューは「旨い、速い・・」に代表されるように急いで食物を摂り入れる傾向にあります。十分に噛まないで量も多く食べてしまうので、身体にも良くありませんね。
全く断つ必要はありませんが、ごく少量に制限するためには強い自制心が必要になります。「食は人そのものを形作る」と言いますが、外見だけでなく内面の表われでもあります。
◆和食メニューは噛む習慣を確立しやすい
やはり身体の健康を考えると日本食を中心とした生活が望ましいでしょう。特に小魚や大豆、野菜や海藻類などを積極的に味わうように食事を摂るならば、よく噛む習慣を確立しやすいです。
そのためにも少なくとも20回、もし可能であれば30回ほど噛んで食事を摂るのが望ましいです。和食のメニューはゆっくり噛んで食べる習慣を身につけると、料理の味わいが深く感じられます。
しかし忙しい毎日を送っていると「そんな余裕はない」と仰られるかもしれませんね。
朝食は簡単に、お昼は外食という方が多いと思います。もしできれば夕飯は自宅でゆっくりと和食中心のメニューを取り入れてみると、よく噛む習慣を確立する助けになります。
確かに噛むという動作は時間のかかるものです。しかし、食事をじっくりと味わうだけでなく、歯周病予防をはじめ、身体全体の健康にも関わってくるので、できるだけ心がけてみたいものですね。