二次カリエスを説明する歯科医

二次カリエスという言葉をご存じでしょうか?

前項で考えたようにカリエスというのは簡単に言うと虫歯を表す用語です。二次虫歯とも言うことができます。

実際、歯科に訪れる人の多くが二次カリエス(リピーターさんとは言わないw)で治療を受けに来られるようです。二次カリエスは放っておくと最悪、抜歯しなくてはならない状態になることがあります。

なぜ『二次』カリエスと呼ぶのでしょうか?

このページでは二次カリエスの原因と防ぐためにできる役立つ方法を紹介します。

二次カリエスの原因とは?

二次カリエスいうのは、虫歯になって歯科医に治してもらったものの、再び同じ所が虫歯になる症状を指します。それで「二次」なのです。

保険診療内での虫歯の治療というのは、虫歯になった部分を削ってから金属や医療用プラスチック(コンポジットレジン)で削った部分を埋めるわけです。

補綴物で削った部分を埋めるわけですが、本来の歯からすると異物を接着させるので100%完璧に密着するかというと難しい話です。目に見えないレベルで隙間ができることも考えられます。

なおかつ先に挙げたコンポジットレジンはプラスティック製なので経年劣化は避けられません。寿命は平均で数年から十年以上と幅があるので、いずれは交換が必要だと考えて良いでしょう。

なおかつ、一度虫歯になった部分というのは再び虫歯になりやすいのです。歯科医が治療の際、虫歯を削った時に取り残しがあればもちろんのこと、埋めた金属との境に少しでもスキマがあると虫歯菌はそこから入り込み再び増殖を繰り返すのです。

神経を抜いて埋めた(被せた)部分だと、虫歯が再び進行しても痛みを感じません。時間だけが経過してしまい、抜歯しなくてはならない状態になって初めて気が付くこともあります。

本当に難しいわけですね・・

では、どのようにして二次カリエスを防ぐことができるでしょうか。

二次カリエスを防ぐ方法

実を言うと、完璧に防ぐ方法はありません。

なぜなら二次カリエスが生じた時に、医師の腕が悪かったか、自然劣化か、歯のケアが不十分だったのかを完全に断定することはできないからです。(もちろん医師は自分のミスを認めない)それでここでは、二次カリエスが発生する確率をできるだけ減らすという観点で考えます。

当然ながら、治療の段階がとても重要になります。

きちんと虫歯を削り取れたがどうかで、その後の確率は大きく変わります。歯科医によってはマイクロスコープ(一種の手術用顕微鏡)を使う所もあります。

もちろんマイクロスコープを使うかどうかで必ずしも成果が異なるわけではありませんし、歯科医の手技によっても結果は異なります。

患者さんにできることといえば、できるだけ虫歯が進行しない状況で(そもそも論ですが)治療を行うのが、二次カリエスによる被害を少なくする有効な手段です。

歯科医によっては金属よりもセラミックをしきりに勧める場合があるようです。(保険診療外)確かに審美性について言うならば優れていますが、正直なところ、効果については議論の余地があるようですね。

同時に治療部分のセルフケアは大切

虫歯の治療において、その部分に虫歯ができたということは、今後もできやすいと言えるかも知れません。ブラッシングの癖なども関係してきますよね。

そこで、一度歯科医に行って虫歯を治したならば、油断せず二次カリエスを防ぐためにもケアは引き続き徹底的に行うようにしましょう。これだけでも予後は随分異なってきます。

さらに定期的(半年に一度程度)に歯科医に行って診てもらうようにしましょう。もちろん虫歯ができない/進行しないのが一番の対策ですが、もし虫歯ができても自分にできることをしっかり行えば、できるだけ二次カリエスの発生と進行を抑えることができるでしょう。