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EMR(内視鏡的粘膜切除術)で早期の大腸がんは治療可能

日本において大腸がんは罹患する確率の一番多いタイプのがんです。(国立がん研究センター発表)

しかし大腸がんは定期的に検査をすることで早期発見-治療をすることができます。

検診で便潜血陽性の結果、精密検査をするケースが多いですが、ある程度の年齢になったら定期的に内視鏡を使って異常がないか直接検査をするのが一番確実な方法です。

先日見ていたテレビ番組の中で、大腸がんの最新治療について触れられていました。
治療方法が興味深かったのでシェアしたいと思います。
 

EMR(内視鏡的粘膜切除術)で小さなポリープも切除

大腸がんも早期であればほとんどのものが治療できるということです。内視鏡使って検査をするのですが、その際ポリープが見つかったら同時に切除するという方法です。

内視鏡をお尻から挿入し、約2 mmほどのごく小さなポリープを発見したら、すぐに染色して確認します。医師が、がんになる可能性のあるポリープだと判断したらその場で切除します。

以前は、このようなタイプの小さなポリープでガンになりうるものは取ることが難しかったのですが、EMRという手法を用いることで、検査と同時に切除することができます。

内視鏡には単にカメラが付いているだけではなく、他にも器具をを差し込める穴が付いています。注射器の先端のような物を内視鏡に差し込んで大腸内まで送ってゆきます。

次に、内視鏡の先端から出した注射器の針のようなものをポリープに差し込みます。そこから生理食塩水を注入すると、見た目小さいポリープも膨らんでゆきます。

次にスネアと言う金属の輪っか状のものをポリープの根元に引っ掛けて、電流を流してポリープを焼き切ります。焼き切ったポリープを回収して大腸から取り出します。ここまでの段階で治療時間はわずか30分で終了しました。

興味深い点として、以前はかなり小さなポリープを取ることができませんでした。しかしEMR法を採用することで、内視鏡を使って簡単にポリープを切除できることです。

内視鏡のみの治療なので低侵襲性です。それで入院せずに日帰りで治療を受けることができます。

「陥凹型」と呼ばれるへこんだがんの治療にも対応

別のケースです。

この方は30代の比較的若い男性の方でしたが、会社の健康診断で潜血が見つかり精密検査となりました。

内視鏡で大腸を確認したところ、「陥凹型」と呼ばれるへこんだがんか見つかりました。 200人に1人という珍しいタイプの病変です。

医師は早期のがんと判断しました。「陥凹型」というのは、へこんだタイプのがんで、約7割が手術が必要な状態で見つかるだけでなく、進行が早いのですぐに治療を施す必要がある厄介なものです。

このタイプのがんはレントゲンやCTでも発見することが難しいタイプのものです。つまり内視鏡の検査によって初めて見つかるわけです。症状がほとんどないので内視鏡の検査は必須なわけです。

ではへこんだ形の病変をどのように治療するのでしょうか。

やはりこのタイプのがんも早期であればEMR、つまり生理食塩水を注入しスネアを使って焼き切ります。EMRで行う大腸がんとみられるポリープ切除の費用は国民健康保険(三割負担)の場合は2万円からになります。

まとめ:早期発見は時間と費用の節約になる

番組を見ていて感じたのは、「がんは早期発見が一番費用対効果が高い」ということです。

先の例のように、大腸がんでも早期であれば簡単に治療が可能です。しかし進行してしまうと大きな手術や長期にわたる治療が必要になり、費用面だけでなく、その後の人生そのものが大きく変化します。

やはり早期発見のための定期的な検査は欠かせませんね。
 

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